2021年度省エネ大賞において 省エネと省スペースを実現する 中規模ビル向け小型マルチエアコンの サイドフロータイプ室外 ユニット「フレックスマルチ-miniモジュール」が 「経済産業大臣賞」を受賞
- 2021.12.22
- 業務用冷凍・空調設備
- 日本
日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社(本社:東京都港区、CEO:秋山勝司)は、一般財団法人 省エネルギーセンターが主催する「2021年度省エネ大賞」の製品・ビジネスモデル部門において、日本などに多い中小規模のビルにおいても設置しやすいコンパクトな筐体で、かつ高効率・大容量なビル用マルチエアコンとして開発したサイドフロー(横吹き)タイプビル用マルチエアコン「フレックスマルチ-miniモジュール」が「経済産業大臣賞」を受賞いたしました。
省エネ大賞は、優れた省エネ取り組みや、省エネルギー性に優れた製品並びにビジネスモデルを表彰するもので、わが国全体の省エネ意識の拡大、省エネ製品の普及などによる省エネ型社会の構築に寄与することを目的としています。
「経済産業大臣賞」受賞製品写真
「経済産業大臣賞」を受賞した「フレックスマルチ-miniモジュール」は、限られたスペースであっても設置が容易な、コンパクトなサイドフロータイプの室外ユニットで、国内業界で初めて(*1)組み合わせ接続により一系統で最大54馬力の大容量を構築することができるビル用マルチエアコンです。
冷媒量の抑制と熱交換器の効率向上を両立する新技術“タンデムサブクーリングシステム”の採用により、当社トップフロー(上吹き)タイプビル用マルチエアコンと同等の性能を発揮できます(*2)。また、大容量圧縮機の採用などにより、コンパクトなサイドフロー筐体で単体ユニット16馬力相当(450型)を実現しました。
さらに、従来複数台を設置して何系統も構築が必要だった施工の手間を低減させるソリューションとして、単体室外ユニットを組み合わせ接続することで、当社トップフロータイプビル用マルチエアコンと同等の、最大54馬力相当(1500型)のシステムを構築することができます。モジュール接続型のサイドフロータイプ室外ユニットは業界初(*1)となります。
当社は、今後もサステナブルな製品開発に積極的に取り組み、高性能で信頼性の高い空調機器の開発製造を通じて、地球環境保全に貢献していきます。
「省エネ大賞」表彰式は、2022年1月26日(水)、東京ビッグサイト(東京都江東区)にて行われる予定です。また、2022年2月1日(火)~4日(金)に東京ビッグサイトで開催される「HVAC&R JAPAN 2022(ヒーバックアンドアールジャパン)第42回冷凍・空調・暖房展」の日立ブースにおいても、受賞製品を展示紹介します。
(*1)2021年2月発売時点。国内のビル用マルチエアコンサイドフロー型室外ユニットにおいて。日立ジョンソンコントロールズ空調調べ
(*2)トップフロー高効率SSシリーズ。APF2015の比較において
フレックスマルチ-miniモジュール詳細(日立グローバルライシュソリューションズ株式会社ウェブサイト)
https://www.hitachi-gls.co.jp/products/building/flexmulti-mini/ssm_module.html
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<参考資料>
【受賞製品開発の背景】
ビル用マルチエアコンにおいては、トップフロータイプが主流になります。一方でトップフロータイプは大きな設置面積を必要とするため、中小規模のビルにおいては設置が難しい場合がありました。そこで、日本などに多い中小規模のビルにおいても設置しやすいコンパクトな筐体で、かつ高効率・大容量なビル用マルチエアコンとして、サイドフロー型ビル用マルチエアコンの開発に取り組みました。
受賞製品であるサイドフロー型ビル用マルチエアコン「フレックスマルチ-miniモジュール」は、高効率かつ大容量というトップフロー型の特長と、コンパクトな筐体というサイドフロー型の特長を併せ持つ製品です。
当社トップフロー型ビル用マルチエアコンと同等水準の高効率による高い省エネ性を確保し、現地配管によるモジュール連結接続で大容量化を可能とすることで、据え付け施工性も向上しました。さらに、コンパクトな筐体によって、屋上の空いているスペースへの増設や、屋根のある場所、ベランダなどへの設置が可能となります。
さらに、コンパクト化と大容量化を同時に実現したことと併せ、封入冷媒量も低減できるため、省資源性にも優れています。
【受賞製品の技術について】
- 開発の課題
通常のサイドフロー型ビル用マルチエアコンでは、コンパクトな筐体を実現するために、トップフロー型よりも内部部品の大きさや点数を削減する必要があります。そのため、トレードオフの関係で性能や容量がトップフローより低くなることが、受賞製品を開発する上で解決すべき課題でした。 - 課題を解決する技術
そこで、以下のような技術を採用することで、コンパクトな筐体と、高性能、大容量を同時に実現しました。
高性能と省エネ性を実現する技術
・送風システムの改善
ラウンドクランプ:ファンモーターの支持部材であるクランプの形状を改善しました。従来構造のコの字型のモータークランプは通風抵抗が大きく、風の流れにデッドスペースが存在しました。そこで、丸型断面のラウンドクランプを新たに採用し、風の流れをスムーズにすることで通風抵抗を低減しました。これにより、従来構造よりファンモーターの消費電力を削減しました。
・熱交換器の新パス構造
タンデムサブクーリングシステム:従来のサブクーラーはシングル構造でしたが、受賞製品に新たに採用したタンデムサブクーリングシステムは、上下2段組の熱交換器を活用することで、2段階のサブクーラー構造にしました。これにより、少ない冷媒量でサブクール(過冷却)を確保することができ、冷媒量を抑制しつつ、冷凍能力の確保とエネルギー効率向上の両立を実現しました。
・冷媒サイクル制御
スムースドライブ2.0:各室内ユニットからの必要負荷情報をもとに、室外ユニットにて適切な供給冷媒量を計算し、低負荷運転時の圧縮機ON/OFFを抑えつつスムーズに運転することで、省エネを実現します。
大容量を実現する技術
次のような技術により、連続接続による大容量化を実現できました。
・冷凍サイクル制御の適正化と新型大容量タイプアキュームレータにより、大容量システムにおける冷媒の分配と冷媒の保有といった冷媒量コントロールを最適化しました。
・新型大容量圧縮機を採用することで、サイドフロータイプ室外ユニットの限られた筐体内に搭載できる1台の圧縮機で単体ユニット16馬力を実現しました。
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